水曜日は18:00から波多江小学校体育館で通常練習です。
急に寒くなってきました。気づけばもう11月です。
しかし、波多江の子供たちは、少しくらいの寒さは何ともありません。
波多江では、毎回同じことを繰り返し、繰り返し、練習しています。
全日本柔道連盟から、「まいんど」という雑誌が刊行されています。
2014年10月が創刊号のようです。
この中に、ノーベル賞を受賞した山中伸弥教授と山下泰裕先生の対談が掲載されています。
山下「今は研究者になられましたが、柔道をやってきたことが役に立っていると感じることはありますか?」
山中「あります。例えば、先生からよくいろんなお話をうかがったのですが、その中に『柔道は単調な日々の繰り返し。実は人生も同じだ』という言葉がありました。毎日が辛い練習だけど、柔道の場合、試合という年に何回か自分を発揮する機会がある。そこで負けて泣くかもしれないけれど、ときに勝って嬉しい涙を流せることもある。でも、それは1日、2日で終わってしまって、また単調な日々が始まる。そういうものだから、その単調さに勝っていかなければならない、人生もそれと同じであるというような主旨のお話でした。
当時はまだわかりませんでしたが、研究は本当に単調な日々の繰り返しなんです。私は臨床医から研究に移ったのですが、臨床というのは単調じゃないんですね。毎日いろんな症状の患者さんがやってくるので、単調とはほど遠い日々で、ものすごく自分が世の中の役に立っているように思えることもあったんです。ところが研究に転じると、待ち時間がものすごく長いんですね。へたをすると1年くらいかかる実験がたくさんあって、しかも圧倒的に失敗に終わることが多い。それでも研究にも何年かに一度ものすごく嬉しいときがある。まさに柔道と一緒なんです。この単調さに耐えなければいけないということで、とてもあの頃のことが活きています。」
出典 「まいんど」2014.10創刊号 山中伸弥 柔道に励んだ日々を語る
子供たちは、毎回涙を流しながら、歯を食いしばって練習をしています。
同じことを何度も何度も繰り返し、何度も何度も同じ失敗を繰り返します。
何度も何度も叱られて、何度も何度も投げられて、それでも何度も何度も立ち上がる。
試合に勝って笑うため、自分の成長を感じるため、応援してくれる人に喜んでもらうため。
それぞれに理由があります。それぞれの目標に向かって、何度も何度も同じことを繰り返します。
波多江の子供たち、いま君たちのやっていることは、大切なことなんですよ。
ノーベル賞を受賞した博士も、オリンピックで金メダルを取った選手も、同じ事の繰り返しで人生の基礎を作ってきました。
これからも練習は続きます。試合も続きます。気持ちを前に向けて、みんなで力を合わせて頑張っていこう!